たとえ弁護士に着手金が払えない状態でも

一般に債務整理というものを始める際には、最初に司法書士や弁護士などに着手金を払う必要があります。
債務整理の一連の手続きが済めば成功報酬がかかりますし、依頼者が負担する出費としては、管轄裁判所や債権者のところへ行く往復交通費、裁判所への申し立て書などに貼る印紙料金や切手代なども負担しなければなりません。
もっともこれらは実費請求が常ですし、上乗せして要求してくるようなことは通常はありません。

たとえ弁護士に着手金が払えない状態でも、債務整理が依頼できないわけではありません。
つまり、手付金という名目のお金を少額でも用意します。
足りないところについては、受任通知送付後の債務の返済をしなくても良い時期(3か月から半年程度)に積み立てをして、すべての処理が終わってから成功報酬などと一緒に相殺するのが無理のない方法です。
債務整理の相談で法務事務所などを訪れた際には、こういった積立を勧められるケースが多いです。

債務整理を行うときの対象として銀行が含まれていると、債務者自身が保有している口座がそこにある時は凍結されると思って間違いありません。
凍結する理由は単純で、資産があるときに銀行への債務を相殺できるからです。
けれども行った債務整理の種類が自己破産であれば預金残高が20万円に満たないときは生活に必要なものとして残せますから、原則的に20万円のリミットを超えた場合だけが債務の返済にあてられるのです。

期日通りの返済ができないと、翌日には貸主側から連絡がくることと思います。
支払う予定日を伝えると、案外すんなりと期日まで待ってくれます。
ただ、その約束が不履行に終わると再度、支払いを求める連絡が来て、やがて訴訟に発展する可能性もあります。
どうあがいても支払いの見込みが立たない時は、任意整理、個人再生、自己破産といった債務手続きをするという手があります。

債務整理といっても実際は3種類に分かれていて、周囲に知られにくい任意整理、大幅減額の可能性がある個人再生、それと自己破産とがあります。
3つの中で個人再生と任意整理は、自己破産と違い、本人に収入がなければ選択することはできません。
なぜ収入が必要なのかと言うと、個人再生や任意整理は膨らんだ借金の減額が目的ですから、どちらも返済しなければならない借金は残っています。
その返済のために「収入がある」というのは外せない条件なのです。

自己破産、個人再生、任意整理といった債務整理は、自ら手続きすることも可能です。
しかし、現実には無理だとしか言えません。
裁判所を通さない任意整理の場合、債務者本人が言う話というのは弁護士のような客観性に欠けますし、裁判所を介する個人再生でも、裁判所が認めてくれるよう、申立書も再生計画なども自分で工夫して書かなければならないのです。

自己破産の場合は個人の申し立てを事実上受け付けない裁判所もあります。
ですから債務整理というのはやはり弁護士などの専門家を頼るのがもっとも確実です。

返済期日が過ぎて生じた遅延損害金やローンの金利は、債務整理の手続きをする弁護士(司法書士)から債務整理開始通知を債権者あてに送付し、貸金会社や債権回収会社にそれが到着した日からカウントされなくなります。
依頼者にとっては大きなメリットですよね。
とはいえ実際に返済が不可能になってからこの手続きまでにかかった時間の間に遅延損害金がかさんでいるケースも少なくありません。

任意整理をするのであれば、弁護士から債権者に働きかけ、そのあたりも減額対象に含めてもらうよう要請していきます。
親や配偶者などの遺産を相続する場合、本来限定承認すべきところを単純承認で相続すると、遺産より借金のほうが多いと、気づいたときには借金を背負っていたなんてことになってしまいます。
しかし、打つ手がないわけではありません。債務整理を行うのです。

本人が無収入の時は別として、普通は任意整理を行うのですが、裁判所の決定を待つのではなく、弁護士等を通じて債務の減額を債権者に交渉していきます。
知っていれば回避できる問題ですから、遺産の相続は慎重に行いましょう。

すべての司法書士が債務整理を扱えるわけではなく、法務大臣の認定を受けた司法書士以外は、案件として債務整理を引き受けることはできません。
料金は弁護士より若干安いようですが、司法書士の場合、任意整理だとひとつの債権あたりの額が最大140万円まで(利息込)と制限されています。

もうひとつの違いは代理人です。
自己破産や個人再生を行う場合、弁護士が債務者の代理人になれるのに対し、認定司法書士でも代理人にはなることは原則としてできませんので、依頼主自身が裁判所に行かなければいけません。

借入先から送られてくる請求書や督促状などの封筒が、別会社に急に変更になり、不安から弁護士のもとに相談に訪れる人は少なくありません。
中身を読めば分かることですが、おそらく債権回収を専門とする会社に債権を譲ったということで、回収業務は新しい債権者が行うことになります。
こうした時でも債務整理の手続きをすることはそれ以前と同様、できるのですが、対象が以前の債権者から次の債権者に移るという違いがあります。
それから、債務整理手続きを始めることで、そこからの督促や取立てなどは一時停止の状態になるのは債権者が変わろうと変わりありません。

Posted by: ONJ on